コマンダンテ

cube32007-06-11

オリバー・ストーン監督、キューバカストロ議長に対する30時間のインタビューとキューバの過去と現在の映像をまとめたドキュメンタリ。
冒頭に「カストロはインタビューした内容のチェックを一切行わなかった」という旨のテロップが流れる。オリバー・ストーン監督のかなり鋭く突っ込んだ質問に対しても、きちんと誠実に答え逃げるような回答を彼はしていない。僕たちはどうしてもアメリカ経由でキューバのイメージを作りがち、つまり社会主義国というだけで北朝鮮に近い眼差しを向けてしまいがちではあるけれども、政治体制は民主主義で経済が社会主義経済というところが決定的に違いそう。少なくともこのフィルムで観る限り、物質的に富める国ではなさそうだけれど、民衆の目は精神的な豊かさを備えているようにみえる。それはキューバが唯一の成功した社会主義国であると云われる所以でだろうか。
ナイキのスニーカーを履き、タイタニックを見て、最近では彼の象徴ともいえる葉巻をやめてハッカ(?)のキャンディを嗜む人間味あふれるカストロ像は可愛らしくもあり、それと同時に未だに革命時の理念をピュアな形で維持し続けているように映る。