屋上のランドスケープ

その後、表参道ヒルズまで散歩。すごい人。もともとあんまり期待していなかったけれど、予想通りまったく面白くなかった。中心のスロープの回廊と吹き抜け、完全に地下みたいで窮屈。全体的に薄いボリュームなのだから、表参道とその裏側の関係をうまくつくれる敷地のポテンシャルはあるのに、完全に閉じたボックスを置いてしまうのはかなり残念。
その後、渋谷まで徒歩で戻っていたら、美竹公園側の団地が面白いということに今更ながら気が付く。3、4棟による中庭を囲い込む住棟配置。(こんなところにそんなプランが!という意外性)足下はピロティになっていて、徹底的にぎりぎりまでその高さ寸法を抑えていて、そこを抜けると荒廃した中庭。坂がある敷地で裏側が法面になっているので、そちら側は4階あたりからアクセス。なぜだか一層ごとにテラスがあったり、なかったり。団地としてはかなり面白いつくり。
そこを探検していて偶然みつけた「屋上のランドスケープ」。
http://www.japan-architect.co.jp/japanese/2maga/sk/magazine/sk2004/sk08/w_frame.html
美容専門学校の屋上につくられたサロンなんだけれど、発見したついでに見せてもらう。受付の人もそのサロンの管理人も僕らより若そう、。もちろん学生は20前がほとんどで、なんだか別世界に足を踏み入れてしまったような。ものとしては、予想外に面白い。嬉しい意外性。既存の塔屋部分にサロンのインテリアをつくり、その上にもアクセスできるように緩やかなスロープを廻す、という構成は与件からごく自然に出てくる流れ。そのスロープがうまいこと渋谷の谷と連続していて、屋上に居つつも都市との連続と、日常的な都市との断絶がバランスがいい。一義的なものとしては位置づけられないような、いい塩梅の場所でした。参考になる。強いて言うのならば、既存の屋上の工作物(クーリングタワーetc.)との取り合いに関して、クリティカルな解答があれば、ロジックとしてはなお良かった。