区役所のイルミネーション


シャンゼリゼのイルミネーションについて書いたので、続いて目についたものについて書いておきます。
写真はパリ11区の区役所のイルミネーションです。僕のアパートの最寄り駅の1つVoltaireの広場に面して建っているのですが、よく見ればお分かりでしょうか、いわゆるパリらしい19世紀後半頃の建築と思しき石造の建物です。エントランスを伴ったファサードが広場に面していて、付け柱のオーダー、柱間にはペディメント付の開口部といったあたり、まっとうな19世紀歴史主義(?)、ネオクラシシズムの建物です。それに対してこのセンスの照明は、どこのキャバレーだ?という雰囲気です。
なんでこんな雰囲気になってしまうのかというと、この11区周辺はバーやクラブが集まる若者のサブカルの中心地で、例えば僕が住んでいる通りは日本のマンガやコスプレグッズのお店が集まるオタク通りとして有名です。(もちろん、僕は違います。)その地域の雰囲気を11区の役所も反映しようとしてる、と言えるでしょうか。例えば7月14日の革命記念日前日にはパリ市内各地で深夜まで色々なイベントがあるのですが、ここでは猛烈な音を出してテクノパーティが役所前の広場で行われる訳です。日本でそんな事って考えられないですよね?
ある意味ではとても些細なことなんですが、こういう物事を受け入れる土壌があることがフランスの文化の懐の深さの顕われじゃないでしょうか。日本では感じる事の少ないこういう感覚は、パリで生活していると随所に感じられます。