Pavillion de L'Arsenal 


Pavillion de L'Arsenal はパリ市が運営している建築と都市に関する博物館で、先日、常設展の模様替えとソーシャルハウジングの企画展の合同オープニングが行われました。
常設展の方はパリの都市の成り立ちを紹介するパネル展示とパリ市全体の模型が展示されています。これらは今までに展示していたものをアップデートして、新装したのみで大まかな内容や展示方法は今までのまま。また新しい展示としてデジタル模型(la maquete numerique)と称して、水平におかれた巨大なスクリーンの上にグーグルアースを通してパリの名所(建築)を検索できるという展示で、こちらはグーグル協賛でできたようです。建物が吹き抜けになっていて、上階のキャットウォークから見下ろせるのでパリ市全体を眺める事も出来ますし、当然クローズアップしてみる事も出来るのでこれは体験として面白い。要するにグーグルアースを巨大なスクリーンに映したと考えればよく、そういう意味ではパソコン上で眺めているのとは本質的には変わらないのですが、やはりスケールが大きいという事だけで劇的に体験が変わります。この点、とても建築的です。
これらの展示は地階に設営されており、メザニン階にはソーシャルハウジングの企画展。こちらは全てプロポーザルコンペ形式で行われているので、それぞれのプロジェクトに当選案と応募案を合わせてそれぞれ5作品程度が展示されており、全体として100以上のプロジェクトを見ることができます。ソーシャルハウジング(logement sociaux)というと日本だと公団があたるのかもしれません。制度的、目的的にはだいたい一致しているのかもしれませんが、なんといっても違うのが建築家が設計してデザイン博覧会の様相を呈しているところでしょうか。もちろん富裕層が住むというよりもそれ以外の人たちのための住宅なので、立地としてはパリ市の場合は郊外に近いところに多く、同時に建築的な規制が緩くなります。そうなると、建築家たちは思い思いの表現をぶつけてしまうのでしょうか、良し悪しはともかくとして…。