生物からみた世界

久しぶりにここに書いてみようかな、っていう本です。ユクスキュルというエストニア生まれ(?)のドイツ人の生物学者で、ちょいと前までは本屋の生物学コーナーでは必ず見かけられる本、だったようです。最近、知覚やら生物やらの本はたくさん読んでいたのですが、あまりにも学問的になりすぎず、かつずいぶんとしっかりとした(内容的に)厚みのある本という意味でお勧めできる一冊です。
前者、学問的になりすぎないということで言えば、ネタ的なる話がそれなりにあります。「目が見えないダニがどのようにしてほ乳類の血を吸うに至るか」「クモの巣の放射方向と同心円方向の意味の差」などなど。ちなみにダニはほ乳類ならば、その種に関わらず血を吸うそうです。といった小話の一方で、後者しっかりとした内容で言えば、動物の認知のシステムが各々の動物にとっての意味にいかに関わっているかとか、ゲシュタルト心理学(正確なことを僕は知らない)に繋がるような、形態が閉じているか開いているかという水準の認知の仕方であるとか、詳しくは書けないのでぜひ読んで頂ければ面白いかと思います。