写真をよろしく

僕の数少ない友人(と呼んでもよろしいでしょうか)、遠藤くんは映画美学校というところに通っておりまして、ドキュメンタリーを撮っています。その卒業制作として撮ったのがタイトルにある「写真をよろしく」。さすが彼のセンス、目の付けどころが面白い。
簡単に要約すると、どこの家にでも大抵ある家族写真、それら膨大な写真は遠藤くんの家にもあり、彼のおばあちゃんが捨てようとしたことから、写真の意味を改めて考えてみようというもの。僕は別れた彼女の写真以外は(!)何となく捨てにくいものですが、このおばあちゃんはどんどん捨てようとする、「この人も死んだ、○○さんも死んだ」という言葉を延々と吐きながら。その写真を見て、その人が誰だかを理解するのはもはやおばあちゃんしかいないから「価値がない」というのが、おばあちゃんの考え。でも捨てられていく写真をみて何か躊躇してしまったり、残念な感情を抱くのはいったいなんでなんだろう、という問いかけをしている。
彼自身、「ちょっぴりセンチ」とは言っていたものの、ちゃんとドキュメンタリーなりのストーリーが出来ていて、そのウェットな感じがとても伝わりやすかった。そして少なくとも僕が自宅に帰って時間があるときに、改めて写真を眺めてみようと思ったことが、この映画のこの上ない成功している点だと思う。
>遠藤くん
もう一度、みせてねー