My Lost City

再びフィッツジェラルドの短編集、村上春樹訳。5つの短編と、1つのエッセイからなる。
表題になっているマイ・ロスト・シティがエッセイ。ニューヨークを中心とした自らの半生の栄枯盛衰を書いている。彼自身の生活と彼の作品の距離がきわめて近いことがよくわかる。読み始めはエッセイではなくて、ひとつの短編かと思っていたほど。秀逸だったのは「残り火」と「悲しい孔雀」。ストーリーは相変わらず没落の物語。栄華を誇る若い頃の生活から、恐慌の時代へ。これら2作品も後者を中心に描かれている。上手く感想が書けないけれど、とにかくおもしろい2編でした。