ファンタジア

その後、78年のイタリアのアニメ「ファンタジア」を観る。あとから気づかされましたが、ディズニーの「ファンタジア」を意識して作られたそう。本家の方は僕は観たことがないので良く解らないけれど、その意識のしかたっていうのはあくまでもアイロニカルな側面が強い。全体的にはシュールな笑いが鏤められていて、キリスト教の倫理観などを際どいところで対象化したような、でも片足はその倫理観に突っ込んでいるような、そんな微妙な表現がかなり見られる。ちょっと思い出したのが、ゲームの"moon"。メインキャラクターが勇者によって無為に殺されたモンスターの魂を救っていくというストーリー。絶対正義的、倫理的なストーリーの裏側にはもう一つのストーリーがあるってわけです。ドラゴンがなにしたっていうんだ、ってことですね。怪物は自分の中に棲んでいるんだな。