Deep Blue

cube32006-09-19

動物ドキュメンタリー、海もの。かなりいい。何がいいって、とにかく余計なことを話さないのが良い。必要なナレーションは最小限に留めて、あとはとにかく絵で魅せてくれる。それだけ映像として良いものが撮れているということと、編集がちゃんとしている。この手のドキュメンタリーにありがちなとにかく蘊蓄をひけらかすものとは決定的に違う。
いくつか面白い映像があったけれど、僕が興味があったひとつにはコピーにもあるけれど、「宇宙に行った人よりも、深海に行った人の方が少ない」という、深海の世界とその生物たち。発光する生き物たちの美しいこともさることながら、マリアナ海溝付近の硫化水素の噴出口に生息するワームなどを捉えた映像はかなり貴重だと思う。生態系のほとんどは食物連鎖をたどれば繋がっていて、結局は光合成をする植物に頼っているという意味で太陽に生かされているのだけれど、このワームは地球そのものをエネルギーにしていて、一切の光を享受していない生物でその生態系の原点のもの。硫化水素をエネルギーに変える機構を持っていて、深海の海底火山などの硫化水素の噴出口付近にしか生息していない。そんな全くのエイリアンを観られたことがなんだか嬉しい。スケッチで見ていて形は知っていたけれど、色の異様さといったら、やっぱり何かが違う気がする、他の生物とは。