ドイツ写真の現在、アウグスト・ザンダー展、多木浩二

cube32005-11-19

竹橋にある国立近代美術館へ。この美術館に行ったのは数年ぶり、前は何の展覧会だっけ?
まずは多木さんの講演会へ。告知ははアウグスト・ザンダーについてだったけれど、「顔と身振り」というタイトルでザンダーの前の写真家(名前忘れた)とその後の写真家(これまた忘れた)と、3者の関わり合いの中から肖像写真における「顔と身振り」という内容。まともにポートレイトなんて観たことがなかった僕は、けっきょく見方を知らなかったからこそ見ていなかったようで、多木さんの話を聞いた後にザンダー展を見てみると、かなりおもしろいってことがわかった。ポートレイト1つをとっても、対象とそれをとりまく環境がつくる世界があるんだってことがよくわかった。
前者の「ドイツ写真の現在」はベッヒャーに代表されるいわゆる「ベッヒャー派」のもの。展示の作品数は多くはないけれど、ベッヒャーの「類型学」シリーズはやはりおもしろい。コンセプトそのものもおもしろいけれど、やはり対象としての工業に関わる構築物がもつ存在感が僕の興味の中心。(類型学はお得意、ということもある)その他、グルスキーの視点やハンス=クリスチャン・シンクの表現には特に惹かれるものがある。ルックスの子供の合成写真だけはどうも好きになれない。