ノーマンズランド

旧ユーゴの内戦を題材にした映画。セルビア人とボスニア人が戦争をしていたわけですが、彼らはその紛争以前はみな仲良く暮らしていたはず。その戦いの悲惨さを直接的に伝える映画ではないですが、戦争以前の状況を間接的に想像させることで、その戦がなんなのかを考えさせられます。
話としては、両者の中間地域、ノーマンズランドと呼ばれる地域の壕にそれぞれセルビアボスニアの兵士が怪我をした状態で取り残されて、その2人を助けるために国連軍であるフランス部隊がやってくるのだが...という流れです。国連軍の各国寄せ集めの、かつ上層部の怠慢が組織としてうまく機能していないことが、かなり批判的に描かれていました。あと印象に残ったのが「傍観者はその殺戮に参加しているのと同じだ」という言葉。日本人は傍観癖がありますよね、国民性として。