パリの空は美しい

最近、僕に関わる全ての物事が良くない方向に向かっているのでは?と思ってました。学校のプロジェもイマイチぱっとせず最近では殆ど学校に行かなくなっているし、風邪もひいて体調が思わしくない。いろんな悪いことが重なる時期ってありますよね?そういう時って何もかもがダメになって、このまま僕もなんでもない人間になっていくんだ、ってそう思うわけです。
たまたまずっと前に貼り紙をしていた「家庭教師します」っていうのを見てくれた人がいたらしくて、夕方6時にそちらのお宅に伺うことになりました。「こんなダメな時期に頼まれても、きっとダメだろうな」とすこし卑屈になっていた僕を救ったのは、バスから見たセーヌ川の上に広がる空でした。智恵子抄で智恵子が「東京の空は狭い」と言ったそうですけど、パリはそれにも増して空が狭い。道のぎりぎりまでに建物が建って、空は街路と同じ形をしています。僕が乗っていたバスはパリの端の方をぐるっと一周する線なので、そんなパリの風景とは少し違います。多少、見通しが通るところです。落ち込んでいるときに乗り物に乗っていたりすると、なんとなく外を眺めるもんですよね?人がそんな風に外を眺めるのはきっと必然で、それは僕が見たパリの空を見るためなんじゃないかと思いました。夕方なんだけれど、決して赤い空じゃなくて、暗くなる直前の蒼い光です。それをみて、ちょっとパリに来て良かったなって思いました。僕にとってはパリの空だったけれど、みんなそれぞれそんな風景があるんじゃないかと思います。日本に帰った時に、東京の美しい空を探すのが楽しみです。